ポーター(Porter)のサドルタンクは、「亀の子」とも呼ばれて愛されてきた。
もうずっと以前に、乗工社のキットを組み立てたのが、この機関車の模型との最初の出会いであった。いわゆる「ナローゲージ」の機関車であるが、これは、HOn30というスケール(縮尺1/87、軌間9mm)の模型である。(保管してあったので写真を撮ってみた)
もちろん、それだけが理由ではないと思う。蒸気機関車といっても、これは独特な形をしている。ナローゲージの機関車に共通することだが、狭い軌間のレールの上を走る小さな機関車の場合も運転する人の身長などは同じだから、キャブ(運転室)を小さくするにも限度がある。そこから何とも言えないアンバランスな印象が生まれる。このポーターの場合、それが顕著にあらわれている。角ばって異様とも思えるほど大きく見えるキャブが、ボイラーの上にまたがる形でのった水タンクと合わせて、ずんぐりとした姿を形作ることになる(これが、あの「弁慶号」と同じポーター製の機関車だと言われてもピンとこないかも知れない)。しかし、この個性的なスタイルこそが、この機関車が愛される理由の一つだと思う。
それにしても、これまでの各模型メーカーのこの機関車への入れ込みには(当然ながらアメリカ市場を意識してのことではあるが)どこか特別なものがあったわけであり、この機関車には、その活躍した時代の歴史的背景も含め、簡単には言い尽くせない魅力があるのだと思う。
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