LGB製のGrizzly Flats Railroad のゴンドラを入手したのは、かなり以前のことであり、その時は Grizzly Flats Railroad や、あの Ward kimball 氏のことも知らなかった。僕は単純にどこかの鉱山鉄道で使われた「人車(作業員を鉱山まで乗せていく車両)」の模型だと思っていた。とにかく気に入ってしまったのである。
このゴンドラがナロー感漂う魅力的な姿をしている理由の一つは、おそらくナローゲージのダンプカー(鉱石や砂利などの運搬に使われ、荷台を傾けて積み荷を降ろすことができる車両)の下回りを利用しているからだと思う。台車の形がいいのだ。そのことが独特な外観を生み出しているわけで、LGB はその雰囲気をうまく表現した製品を作ったのだと思う。 (下の写真:LGB 30440)
しかし、実は、その下回りを提供したと思われるダンプカー自体が、モデラーにとっては魅力的な車両であり、模型化もしばしば行われてきたタイプなのである。Gゲージでも、Bachmann が製品化している。だから、このスタイルのゴンドラを自作する場合は、実物と同じようにダンプカーの下回りを利用すればよいわけである。
ただし、Bachmann というメーカーは、同じ45mm幅のレールを走るダンプカーを異なる縮尺で製品化している。このことは、アメリカにおけるGゲージの鉄道模型の変遷を示しているわけだが、こうしたメーカー( Bachmann だけではない)の動きは、現在も続くGゲージの鉄道模型のやや混乱した状況の現れとも言えるだろう。
ともかく、最初に Bachmann が世に出したGゲージのダンプカーは、モデラーの投票によって賞を受けるほど人気があったようだが、これは Bachmann が1/22.5というLGBと同じ縮尺を採用しているときに作られたものである。このダンプカーをLGBのゴンドラと比較すると、全体のサイズも良く似ており、同じタイプの下回りを持っていることがわかる。(下の写真)
こういうダンプカーから荷台を取り去り、人が乗る箱を載せれば、ゴンドラができてしまう。かつてカリフォルニアでは鉱山鉄道で多くのダンプカーが使われていたから、(具体的にどこからダンプカーを持って来たのかを知る由もないが)Grizzly Flats Railroad のゴンドラがそんなふうにできたであろうことは想像できる。
あれこれと勝手に考えながら模型を作るのは、本当に楽しい。だが自分の模型作りは、やっぱり行ったり来たりである。前回述べたように、ゴンドラの制作中に問題に直面したが、その内容は次回説明する。
<続く>
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